「NISAは始めた。次は不動産投資ってアリなのかな」。
最近、Xのタイムラインでこういう投稿を見かける回数が増えました。20代で投資信託を積み立てている人たちが、不動産という別ジャンルにも目を向け始めている。
この記事では、Z世代がなぜ不動産投資に興味を持ち始めたのか、その背景を整理します。
株やNISAとの違い、始める前に知っておくべきリスク、そして「まず何からやるか」の選択肢まで、自分なりにまとめてみました。
ざっくり言うと、不動産投資は悪い選択肢じゃない。でも、NISAの非課税枠を使い切る前に手を出す必要はないと思ってます。
その理由も含めて、順番に見ていきます。
- Z世代が不動産投資に興味を持ち始めた背景
- NISA経験者が不動産に流れる理由
- 不動産投資と株式投資の根本的な違い
- 20代が不動産投資を始める前に押さえるべきリスク
- 少額から試せる不動産投資の選択肢
- 「NISAを先に埋めるべき」と考える筆者の理由
- 20代が投資の順番を間違えないためのポイント
「不動産投資って20代には早い」は本当?
「不動産投資=お金持ちがやるもの」。自分もずっとそう思ってました。
20代で不動産なんて、頭金だけで何百万もかかるし、ローンを組むリスクも怖い。FP2級の勉強をしていた頃、不動産の章を読みながら「これは自分には関係ない世界だな」と飛ばしてたくらいです。
でも最近、状況が変わってきています。
「僕と私と株式会社」が2024年に実施した調査によると、Z世代の43.5%が月5万円以上を投資に回しているというデータがあります(出典:僕と私と株式会社「Z世代/ミレニアル世代/X世代に聞いた投資に関する意識調査」2024年4月公開)。NISAの普及で「投資する」こと自体のハードルが下がった結果、視野が不動産にまで広がっている傾向が見えてきました。
「20代には早い」という感覚は、数年前までなら正しかったかもしれません。
でも今の20代は、すでに投資を経験している層が増えている。だからこそ「次のステップ」として不動産が選択肢に入ってきているわけです。

NISA世代がなぜ不動産に興味を持つのか
投資リテラシーの底上げが起きている
2024年に新NISAが始まって以降、証券口座の開設数は急増しました。
金融庁の発表では、NISA口座数は2024年末時点で約2,560万口座に達しています(出典:金融庁「NISA口座の利用状況調査」2025年2月公表)。この数字が意味するのは、「投資=特別なこと」という感覚が薄れてきたということです。
NISAで投資信託を積み立てている人たちは、すでに「お金を運用する」経験を持っています。
含み益を見たことがある。値下がりして焦った経験もある。その一連のプロセスを経た上で、「インデックス投資だけでいいのか?」という疑問が出てくるのは、自然な流れだと思います。
「給与だけでは厳しい」という現実感
もうひとつの背景は、20代が抱える将来の不安です。
年金制度への不安、物価上昇、賃金の伸び悩み。こうした要因が重なって、「給与収入とは別の収入源がほしい」と考える若い世代が増えている傾向があります。
不動産投資は、うまくいけば毎月の家賃収入が得られます。
「株は売らないと利益が出ないけど、不動産は持っているだけで家賃が入る」。この違いに魅力を感じる人が多いのは、わかる気がします。自分自身、簿記の勉強で「キャッシュフロー」の考え方を学んだとき、「定期的にお金が入ってくる仕組みって強いな」と感じたのを覚えています。

不動産投資の基本:株・債券との違い
ここで、不動産投資と株式投資の違いを整理しておきます。
自分がFPの勉強で習った範囲でざっくりまとめると、投資の性格がかなり違います。
| 比較項目 | 株式投資(NISA含む) | 不動産投資 |
|---|---|---|
| 最低投資額 | 100円から可能 | 数十万〜数千万円 |
| 収益の仕組み | 値上がり益(売却時)+配当 | 家賃収入(毎月)+売却益 |
| 流動性 | 高い(すぐ売れる) | 低い(売却に数ヶ月かかることも) |
| レバレッジ | 基本なし(信用取引除く) | ローンで自己資金の数倍を運用可能 |
| 管理の手間 | ほぼゼロ(積立設定のみ) | 入居者対応・修繕・確定申告など |
| 税制優遇 | NISA枠内は非課税 | 減価償却で節税効果あり |
この表を見ると、株式投資と不動産投資は「同じ投資」でも別物だとわかります。
不動産投資の最大の特徴は「借金して投資額を増やせること」と「毎月の家賃収入」の2点。ただし、その裏には「流動性の低さ」と「管理の手間」がセットでついてきます。
自分が個人的に怖いと思うのは、流動性の低さです。
インデックス投資なら「やばい」と思ったらすぐ売れる。でも不動産は、売りたいときに売れるとは限らない。ビビリの自分にとって、これはかなり大きなハードルなんですよね。
Z世代が不動産投資を始める前に知っておくべきこと
「利回り〇%」の数字を鵜呑みにしない
不動産投資の広告でよく見る「利回り8%」「利回り10%」という数字。
これは多くの場合「表面利回り」と呼ばれるもので、経費や空室リスクを差し引いた「実質利回り」とは違います。FPの試験でも出題される内容なんですが、ここを混同すると「思ったより儲からない」となりがちです。
| 利回りの種類 | 計算方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 | 経費・空室を含まない「見かけの数字」 |
| 実質利回り | (年間家賃収入 − 経費)÷(物件価格 + 諸費用)× 100 | 修繕費・管理費・税金などを引いた現実の数字 |
広告に載っている利回りの多くは表面利回りです。
管理費、修繕積立金、固定資産税、空室期間のロスなどを引くと、手元に残るのは表面利回りの半分〜7割程度になるケースも珍しくありません。数字だけ見て「すごい」と飛びつくのは危険です。

出典: 国土交通省
ローンを組む=借金して投資すること
不動産投資の魅力として「ローンを使えば少ない自己資金で始められる」という話をよく聞きます。
たしかにその通りです。でも言い換えると「借金して投資する」ということ。株式投資でいう信用取引に近い構造で、利益も損失も大きくなります。
20代で不動産ローンを組むと、返済期間は20〜30年になるのが普通です。
その間に空室が続いたり、家賃相場が下がったりすると、ローンの返済が家賃収入を上回る「逆ザヤ」状態に陥る可能性があります。自分が不動産投資にすぐ踏み出せない最大の理由がこれです。
もうひとつ見落としがちなのが、金利上昇リスクです。
変動金利でローンを組んだ場合、将来的に金利が上がれば毎月の返済額も増えます。家賃収入は上がらないのに返済だけ増える。20〜30年のローン期間中に金利環境がどう変わるかは、誰にも予測できません。
「不労所得」は幻想に近い
「不動産投資で不労所得」というフレーズ、SNSでよく見かけますよね。
でも実際は、入居者の募集、トラブル対応、修繕の手配、確定申告など、やることはそれなりにあります。管理会社に委託すれば手間は減りますが、その分管理費がかかって利回りは下がります。
「完全な不労所得」とはいえない、という点は知っておいたほうがいいです。
NISAのインデックス積立なら、一度設定すれば本当にやることがゼロ。自分のようなめんどくさがりには、この差は大きいです。
- 空室リスク:入居者が見つからない期間はローン返済が自己負担になる
- 金利上昇リスク:変動金利ローンは将来の返済額が読めない
- 修繕・老朽化リスク:築年数が経つほど修繕費がかさむ
- 流動性リスク:売りたいときにすぐ売れるとは限らない
- 家賃下落リスク:周辺環境や市況の変化で家賃相場が下がる可能性がある
「まず小さく試す」不動産投資の選択肢
「不動産投資に興味はあるけど、いきなり物件を買うのは怖い」。
その感覚、すごくまっとうだと思います。自分も同じです。そこで、少額から不動産投資の感覚を掴める方法を整理しておきます。
REIT(不動産投資信託)から始める
REIT(リート)は、投資家から集めたお金でオフィスビルやマンションを運営し、その家賃収入を分配する仕組みです。
ざっくり言うと「不動産のインデックス投資」みたいなもの。REIT型の投資信託なら証券口座があれば数千円から買えますし、NISAの成長投資枠でも購入できます。
実際に物件を管理する手間はゼロ。流動性も高く、株と同じようにいつでも売れます。
「不動産投資の感覚を掴みたいけど、いきなり物件を持つのは怖い」という人には、ちょうどいい入口だと思います。
不動産クラウドファンディングという選択肢
ここ数年で増えてきたのが、不動産クラウドファンディングです。
1万円〜10万円程度の少額で不動産プロジェクトに投資でき、運用期間が終わると元本と利益が返ってくる仕組み。手軽さはREIT以上ですが、途中解約できないサービスが多い点には注意してください。
自分は「まずREITで不動産投資の値動きに慣れる → 興味が続くならクラファンも試す → それでも不動産が好きなら実物件を考える」という順番がいいのかなと思ってます。
いきなり数千万円のローンを組むのは、ステップが飛びすぎている気がするんですよね。
自分が不動産投資をすぐ始めない理由
ここまで不動産投資について整理してきましたが、自分自身はまだ不動産投資をしていません。
興味がないわけじゃない。でも「今じゃない」と判断しています。
NISAの非課税枠をまだ使い切っていない
新NISAの生涯投資枠は1,800万円。自分はまだこの枠を全然埋められていません。
投資の利益に税金がかからないNISAの枠が余っている状態で、課税される不動産投資に手を出すのは、順番として違うんじゃないかと思ってます。
証券外務員の勉強でも「税制優遇がある投資から優先するのが合理的」という話がありました。
自分のようなビビリは、まずNISA枠を埋めることに集中したほうが、精神的にも安定します。
生活防衛資金が十分じゃない
FPの教科書的には、生活防衛資金として生活費の6ヶ月〜1年分を確保するのが基本です。
自分はまだこの水準に達していません。不動産投資は数百万円単位の初期費用がかかる場合もあるので、手元資金が心もとない状態で始めるのはリスクが高すぎる。ここは焦らず順番を守ろうと思ってます。
勉強が足りていない(自覚あり)
FPや簿記の資格を持っていても、不動産投資の実務はまた別の話です。
物件の目利き、エリア選定、管理会社との付き合い方。こうした「現場の知識」はまだ全然足りていません。資格オタクの自分としては、もう少し勉強してから動きたいのが本音です。
ただ、「勉強が足りない」を言い訳にしすぎると、NISAのときと同じで永遠に始められない。
だからREITあたりから少しずつ不動産市場に触れていこうかなと考えています。
を確保してから
非課税で運用
数千円から掴む
税務を学んでから

まとめ:順番を間違えないことが一番大事
Z世代が不動産投資に興味を持つこと自体は、投資リテラシーが上がった証拠だと思います。
でも、興味を持つことと、今すぐ始めるべきかどうかは別の話。ポイントを整理します。
- NISAの非課税枠を優先して埋める(生涯1,800万円分)
- 不動産に興味があるならREITやクラファンから小さく始める
- 実物件は生活防衛資金+十分な知識を揃えてからでも遅くない
不動産投資は、タイミングと順番さえ間違えなければ有力な選択肢になり得ます。
でも20代の自分らにとって、まず固めるべきはNISAと生活防衛資金。その土台ができた上で不動産を考えても、全然遅くないはずです。
NISAの非課税枠(生涯1,800万円)をまだ使い切っていないなら、不動産投資より先にNISAの積立を優先するのが合理的です。
NISAの始め方が気になる人は、自分がゼロから口座を作ったときの記事も読んでみてください。
自分も引き続き勉強しながら、REITあたりから少しずつ不動産市場に触れていくつもりです。
焦らず、でも止まらず。一緒にやっていきましょう。

