「Ethereumってまたアップグレードするの?」って、Xのタイムラインを見て思った人、多いんじゃないですか。
自分も最初は「またかよ」って思いました。でも今回の「Glamsterdam」、調べてみたら過去のアップグレードとはちょっと毛色が違うんですよね。
この記事では、Glamsterdamで変わる3つのポイントを、できるだけかみくだいて整理してみます。
技術的な話が中心ですけど、「で、ETHの価格にどう影響するの?」「自分らは何をすればいい?」まで踏み込みました。
ざっくり言うと、Ethereumが「遅い・高い・不公平」を3つまとめて改善しようとしてるアップグレードです。
投資家目線で見ておくべきポイントもあるので、最後まで読んでみてください。
- Glamsterdamの名前の由来と位置づけ
- ガスリミット引き上げ(60M→200M)でトランザクションがどう変わるか
- 並列実行(EIP-7928)で処理速度が上がる仕組み
- ePBS(EIP-7732)がMEV問題をどう改善するか
- 過去のアップグレード前後でETH価格がどう動いたか
- 投資家として今からチェックしておくべき3つのポイント
Ethereumのアップグレード、また来るの?過去との違いは?
Ethereumは2015年のローンチ以降、何度もアップグレードを繰り返してきました。
有名なのは2022年9月の「The Merge」。PoW(マイニングで取引を承認する方式)からPoS(ETHを預けて承認する方式)に切り替わった大型アップデートです。
2024年3月には「Dencun」、2025年5月には「Pectra」、同年12月には「Fusaka」と続きました。
で、2026年前半に予定されているのが「Glamsterdam」です(出典: Ethereum Foundation Blog, 2026年2月18日)。
自分、大学の金融コースでブロックチェーンのゼミ発表をやったことがあるんですけど、当時のEthereumは「理想は高いけど遅くて高い」という評価でした。
あれから数年、毎回のアップグレードで少しずつ改善されてきて、今回のGlamsterdamはその「遅い・高い」に加えて「不公平」にもメスを入れる内容になっています。
| アップグレード名 | 時期 | 主な変更点 |
|---|---|---|
| The Merge | 2022年9月 | PoW → PoSへ移行。電力消費約99.95%削減 |
| Dencun | 2024年3月 | L2(レイヤー2)のガス代を大幅削減 |
| Pectra | 2025年5月 | ステーキング改善・アカウント抽象化 |
| Fusaka | 2025年12月 | PeerDAS導入・blob拡張(※ガスリミット60Mへの引き上げはFusaka直前の2025年11月バリデーター投票で実施済み) |
| Glamsterdam | 2026年H1(予定) | ガスリミット200M・並列実行・ePBS |
✓
- PoW → PoSへ移行
- 電力消費約99.95%削減
- Ethereumの歴史的転換点
〜25✓
- L2ガス代の大幅削減(Dencun)
- ステーキング改善(Pectra)
- PeerDAS導入・blob拡張(Fusaka)※ガスリミット60Mは2025年11月バリデーター投票で実施済み
H1
- ガスリミット200Mへ約3.3倍拡大
- 並列実行(EIP-7928)で処理速度10倍
- ePBS(EIP-7732)でMEV抑制
H2?
- 詳細未発表
- 年2回ペースのハードフォーク継続

Glamsterdamって何?名前の由来と3つの変更点
Ethereumのアップグレードには、毎回都市名にちなんだ名前が付けられます。
「Glamsterdam」もその流れで、アムステルダム(Amsterdam)をもじったネーミングです。コンセンサス層が「Glam」、実行層が「Amsterdam」で、合わせてGlamsterdam。開発者コミュニティが決めた名称で、既にDevnet-4のテストが完了しDevnet-5に移行中です(出典: Phemex, 2026年3月)。
今回のアップグレードの柱は3つ。
| 変更点 | EIP | ざっくり言うと | 影響 |
|---|---|---|---|
| ガスリミット引き上げ | EIP-7904等 | 60M → 200Mへ約3.3倍 | ガス代約78%低下が目標 |
| 並列実行 | EIP-7928 | 取引を同時並行で処理 | 約10,000TPSが目標 |
| ePBS(Proposer-Builder分離) | EIP-7732 | ブロックの提案者と組み立て者を分離 | MEV抽出を最大70%抑制 |
ガス代約78%低下
「高い」を解決
処理速度10倍
「遅い」を解決
Proposer/Builder分離
「不公平」を解決
- ガスリミット引き上げ(60M→200M):1ブロックに入る取引量を約3.3倍に拡大。ガス代の低下を目指す
- 並列実行・EIP-7928:干渉しないトランザクションを同時処理し、約10,000TPSを目標に
- ePBS・EIP-7732:ブロック提案者と組み立て者の役割分離をプロトコル内部に組み込み、MEV抽出を最大70%抑制
2025年だけでPectraとFusakaの2本のアップグレードが入り、2026年はGlamsterdamの後にHegotaも予定されています。年2回ペースのハードフォークが定着してきた感があります。
ここからは3つの柱をもう少し掘り下げてみます。

ガスリミット引き上げ:トランザクションがどう変わる?
ガスリミットって何?レジのたとえで考える
Ethereumで何かしらの操作(送金やスマートコントラクトの実行)をするには「ガス」という手数料がかかります。
ガスリミットは、1つのブロック(約12秒ごとに生成される取引の塊)に入れられるガスの上限のことです。
スーパーのレジに例えると、レジ1台で12秒ごとに処理できるお客さんの数に上限があるイメージ。
上限が低いと行列ができて、急いでる人は「割増料金払ってでも先に処理して」とガス代を積む。これがガス代高騰の仕組みです。
60Mから200Mへ、約3.3倍の拡大
2025年12月のFusakaアップグレードで、ガスリミットは30Mから60Mに引き上げられました。
Glamsterdamではここからさらに200Mまで拡大する計画です(出典: Ethereum Foundation Blog, 2026年2月)。ガス代は約78%低下すると見込まれています。
- 混雑時はガス代が高騰
- 1ブロックに入るTx数に限界
- L2への「逃避」が続く状態
- ガス代約78%低下が目標
- Tx容量が約3.3倍に拡大
- メインチェーンの実用性が向上
Besuクライアント開発者のGary Schulte氏は「2026年中に100Mは現実的だが、それ以上は投機的」と発言しています。200Mはテストネット検証の結果次第で段階的に引き上げられる見通しです。
Glamsterdamの2026年H1という時期は予定であり、確定ではありません。ガスリミット200Mも目標値であり、テストネットの検証結果次第で段階的導入や延期の可能性があります。Ethereumのアップグレードは過去にも延期が複数回発生しています。最新情報はEthereum Foundation公式ブログで確認してください。
自分、2021年のNFTブームのときにEthereumを触ったんですけど、ガス代がめちゃくちゃ高くて引きました。
送金1回に3,000円とか取られるんですよ。「これ、手数料で元本溶けるやん」ってビビって、それ以来ずっとL2(レイヤー2。メインのチェーンの上に載せる高速道路みたいなもの)ばかり使ってました。ガスリミットが200Mまで上がれば、メインチェーンでも気軽に触れる日が近づくかもしれません。
並列実行(EIP-7928):なぜ「速くなる」のか
今のEthereumは「1列に並ぶ」しかない
EVM(Ethereum Virtual Machine)は、Ethereumのスマートコントラクト(自動実行されるプログラム)を動かすエンジンのようなもの。
現在のEVMは、トランザクション(取引)を1件ずつ順番に処理しています。100件の取引があっても、1件目が終わらないと2件目に取りかかれません。
銀行の窓口が1つしかないのと同じです。
後ろに何人並んでいても、順番にしか進まない。
EIP-7928(BALs)で「窓口が増える」
EIP-7928は「Block-Level Access Lists(BALs)」と呼ばれる仕組みで、ブロック内の各トランザクションが「どのアカウント・どのスマートコントラクトにアクセスするか」を事前に宣言します。
AさんからBさんへの送金と、CさんからDさんへの送金は、お互い関係がない。事前宣言でそれがわかるから、同時に処理しても問題ない。
銀行の窓口が一気に3つ、4つと増えるイメージです。
現在の約1,000TPSから約10,000TPSへ、処理能力が約10倍に向上することを目指しています(出典: Phemex, 2026年3月)。
FPの試験勉強をしてた頃、「システミックリスク」って概念を習ったんですけど、並列処理にも似たリスクはあります。
同時に処理したトランザクション同士が実は干渉してた場合、データの整合性が壊れる可能性がある。だから「干渉しない取引だけを選んで並列化する」ためのBALsが鍵になるわけです。
ePBS(EIP-7732):MEVと公平性の問題
MEVって何?「割り込み」で儲ける仕組み
MEV(Maximal Extractable Value)は、ブロックの中に入れるトランザクションの順番を操作することで得られる利益のことです。
ざっくり言うと、「行列の順番を自分に都合よく入れ替えて儲ける」行為。
たとえば、誰かが大量のトークンを買おうとしているのを見つけたら、その前に自分が先に買って、価格が上がったところで売る。
「サンドイッチ攻撃」と呼ばれるこの手法で、一般ユーザーが不利な価格で取引させられることがあります。
ePBSで「順番操作」を構造的に抑える
今のEthereumでは、MEV対策としてMEV-Boostという外部ソフトウェアが使われています。これはプロトコルの「外側」にある仕組みなので、リレー運営者を信頼する必要がありました。
EIP-7732(ePBS: enshrined Proposer-Builder Separation)は、このPBSをEthereumのプロトコル「内部」に組み込みます(出典: EIP-7732公式仕様)。
Proposer(提案者)は「このブロックを採用する」と決めるだけ。
Builder(組み立て者)は中身のトランザクションを並べる。提案者はBuilderが作った複数の候補から、最も手数料収入が高いブロックを選ぶ。この役割分離がプロトコルレベルで保証されるようになります。
ePBSはMEVの抽出方法を透明化・構造化するもので、MEV自体をゼロにする技術ではありません。Phemexの分析では「MEV抽出を最大70%抑制」と見積もられていますが、一方で効率的なBuilderに利益が集中するリスクも指摘されています。
外部リレーへの依存がなくなることで、検閲耐性(特定の取引を意図的にブロックされにくくなること)の向上も期待されています。
投資家として見ると、ネットワークの公平性が上がるのはETHの基盤としての信頼性に直結する話です。
アップグレード前後でETH価格はどう動く傾向がある?
「で、結局ETHは上がるの?」って聞きたくなりますよね。
過去のアップグレード前後の値動きを振り返ってみます。
| アップグレード | 直前の傾向 | 直後の傾向 | 備考 |
|---|---|---|---|
| The Merge(2022年9月) | 大幅上昇 | 約12%下落 | 「噂で買って事実で売る」の典型 |
| Dencun(2024年3月) | 上昇 | ほぼ横ばい | BTC ETF承認と時期が重なった |
| Pectra(2025年5月) | 小幅上昇 | 小幅下落 | 注目度は前2回より低め |
パターンとしては「アップグレード前に期待買いで上昇 → 実装後に利確で下落(または横ばい)」が多い傾向です。
いわゆる「Buy the rumor, sell the news(噂で買って、事実で売る)」ですね。
複数のアナリストや予測モデルがGlamsterdam後のETH価格について見通しを出していますが、予測値にはかなりのばらつきがあります。2026年3月下旬時点でETHは約$2,100〜$2,300のレンジで推移しており、年末の予測は強気派から弱気派まで幅広い。
正直なところ、価格予測の精度は高くありません。マクロ経済(利上げ・利下げ)、規制動向、BTC連動など、アップグレードの中身以外の要因に大きく左右されるためです。
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。価格予測は参考情報であり、将来のリターンを保証するものではありません。暗号資産への投資は元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
自分自身、The Mergeのときに「これは上がるだろう」と思って直前にETHを少し買い増ししたんですけど、実装後にじわじわ下がって「あ、噂で買って事実で売るってこういうことか」と身をもって体験しました。
教科書で読むのと実体験は全然違う。あの含み損を見つめた夜は忘れられないです。
投資家として今から何を見ておくべきか
Glamsterdamの実装時期は2026年前半(H1)と言われていますが、まだ確定ではありません。開発チームも「日程の厳守よりも実装品質を優先する」と明言しています。
Ethereumのアップグレードは過去にも延期が何度かありました。The Mergeは当初2019年に計画されてから最終的に2022年9月まで、数年単位で遅れた経緯があります。
チェックポイント1:テストネットの進捗
アップグレードが本番に実装される前に、テストネット(本番と同じ環境のテスト用チェーン)で動作確認が行われます。
現在Devnet-4のテストが完了し、Devnet-5に移行中。テストネットでバグが見つかれば延期になるし、スムーズに進めば予定通り実装される。Ethereum Foundation Blogの進捗を追いかけるのが確実です。
チェックポイント2:L2エコシステムへの影響
ガスリミット引き上げと並列実行が入ると、メインチェーンの処理能力が上がります。
これがL2(ArbitrumやOptimismなど)にどう影響するかも見ておきたいところです。メインチェーンが速くなれば「L2に逃げる理由」が薄れる可能性もあるし、逆にL2との連携がさらに良くなる可能性もある。
チェックポイント3:実装前後の値動きパターン
過去のアップグレードで見たように、「直前に上がって直後に下がる」パターンは頭に入れておくべきです。
自分はもうThe Mergeの二の舞はやりたくないので、今回は「実装の1ヶ月前から積立額を少し増やす」くらいの温度感でいこうと思ってます。ドカンと買って直後に下がると精神的にキツいので。
証券外務員の試験で「投資判断はファンダメンタルズとテクニカルの両面から」と習ったんですけど、アップグレードの中身(ファンダメンタルズ)を理解した上で、過去の値動きパターン(テクニカル的な傾向)も参考にする。
両方見ておくと、少なくとも「なぜ上がったか・なぜ下がったか」の説明ができるようになります。
- テストネット進捗:Devnet-5以降のテスト結果をEthereum Foundation Blogで追う。バグ発生なら延期=市場の期待調整
- L2トークンの連動:Arbitrum(ARB)・Optimism(OP)等のL2トークンがGlamsterdam前後でどう反応するか。メインチェーン性能向上がL2の立ち位置を変える可能性
- 「噂で買って事実で売る」パターン:過去3回のアップグレードで繰り返された傾向。実装直前の急な買い増しは要注意

まとめ
Glamsterdamのポイントを整理します。
- ガスリミット200M・並列実行(EIP-7928)・ePBS(EIP-7732)の3本柱で、Ethereumの「遅い・高い・不公平」を同時に改善するアップグレード
- 実装は2026年前半の予定だが、延期の可能性もある。Devnet-5以降のテストネット進捗が最大の判断材料
- 過去のアップグレードでは「直前上昇 → 直後下落」のパターンが多い。焦って大きく動かない方がいい
まずはEthereum Foundation公式ブログをブックマークして、テストネットの進捗を追いかけるところから始めてみてください。
自分も引き続きウォッチして、新しい情報が出たら記事にまとめます。焦らず、でもアンテナは張っておく。自分らみたいなビビリ投資家にはそのくらいがちょうどいいかなと思ってます。


