年金はいくらもらえる?20〜30代が今から知っておくべき現実と対策

「年金って、自分らの世代はいくらもらえるんだろう?」

友達との飲み会で老後の話になったとき、誰も具体的な金額を答えられなかった経験、ないですか。自分もFP2級の勉強をするまで「なんとなく少ないらしい」くらいの知識しかなくて。

でも試験対策で年金の将来試算を初めて計算したとき、想像以上の現実に背筋が冷えました。この記事では、年金の平均受給額から不足額の計算、そして足りない分をどう補うかまでを整理しています。

ざっくり言うと、年金は「土台」にはなるけど、それだけで老後を乗り切るのはかなり厳しい。だから20〜30代の今のうちに、自分で上乗せする仕組みを作っておきたいところです。

📌 この記事でわかること
  • 厚生年金・国民年金の平均受給額【令和6年度最新データ】
  • 自分の年金額を「ねんきんネット」で今すぐ確認する方法
  • 年金だけで生活できるか、不足額の具体的な計算(夫婦・独身別)
  • 繰り下げ受給で年金を最大84%増やせる仕組みと損益分岐点
  • マクロ経済スライドで年金が実質的に目減りする理由
  • 年金不足を補うNISA・iDeCo・投資の使い分け
  • 20〜30代が今すぐ始められる具体的なアクション

NISAを始めるなら、まず証券口座が必要です。自分が使っている証券会社の口座開設手順をまとめているので、参考にしてみてください。

金融庁 NISAを知ろう


自分の年金額、今すぐ調べられるって知ってた?

「年金がいくらもらえるか」を調べる方法、意外と知られていません。でもねんきんネットを使えば数分で自分の見込み額がわかります

ねんきんネットで見込み額をチェックする手順

日本年金機構が運営する「ねんきんネット」(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)にアクセスして、マイナンバーカードでログインすれば、将来の年金見込み額を試算できます。

「かんたん試算」機能を使えば、今の給料のまま60歳まで働いた場合の見込み額がすぐ出ます。2025年1月からは試算画面がリニューアルされて、操作もだいぶわかりやすくなりました(出典: 日本年金機構「ねんきんネット」)。

50歳未満は「ねんきん定期便」もチェック

毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」にも、これまでの加入実績に応じた年金額が載っています。ただし50歳未満の人は「見込み額」ではなく「これまでに納めた分だけの金額」が表示されるので、実際の受給額はもっと増える可能性があります。

自分がねんきんネットで初めて自分の見込み額を確認したとき、月額の少なさに「えっ、これだけ?」と声が出ました。数字を自分の目で見ると、漠然とした不安が「具体的な課題」に変わります。まずはログインしてみてください。

💡 ねんきんネットで今すぐ確認しよう
ねんきんネット(www.nenkin.go.jp/n_net)にアクセス → マイナンバーカードでログイン → 「かんたん試算」をタップ。

所要時間は約3分。自分の年金見込み額を知るだけで、次に何をすべきかが明確になります。

平均的な年金受給額はいくら?独身・夫婦で見てみよう

「平均でどのくらいもらえるの?」は、年金の話で最も気になるポイントですよね。ここでは令和6年度(2024年度)の最新統計データで確認してみます。

厚生年金の平均受給額(基礎年金含む)

区分 月額(平均) 年額換算
厚生年金(全体平均) 約15万289円 約180万3,000円
厚生年金(男性) 約16万9,967円 約204万0,000円
厚生年金(女性) 約11万1,413円 約133万7,000円
国民年金のみ(全体平均) 約5万9,310円 約71万2,000円

(出典: 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)

男女差が約5万8,000円もあるのがポイントです。女性は出産・育児でキャリアが中断しやすく、その分だけ厚生年金の加入期間や報酬が少なくなりがちなのが原因です。

職業別の年金受給額イメージ

職業パターン 国民年金(月額) 厚生年金(月額) 合計(概算)
会社員(平均年収400万円・38年加入) 約6.5万円 約7.0万円 約13.5万円
会社員(平均年収600万円・38年加入) 約6.5万円 約10.5万円 約17.0万円
自営業(国民年金のみ・40年満額) 約7.1万円 なし 約7.1万円
専業主婦(夫)(第3号被保険者・40年) 約7.1万円 なし 約7.1万円

※厚生年金の概算は「平均標準報酬月額 x 5.481/1000 x 加入月数」で試算。2026年度の老齢基礎年金満額は月額7万608円(出典: 厚生労働省 令和8年度の年金額改定)。

自営業やフリーランスの人は、国民年金しか受給できません。月7万円だけで生活するのはどう考えても無理なので、iDeCoや国民年金基金で上乗せする工夫が欠かせないんですよね。

FP2級の試験勉強をしていた頃、年金の計算問題をひたすら解いたんですけど、教科書の数字と現実の受給額を照らし合わせたら「この金額で生活するのはかなり厳しい」というのが素直な感想でした。


年金だけで生活できるの?不足額を計算してみた

平均受給額はわかった。じゃあ、それで生活はできるのか。総務省の家計調査(2024年)のデータで計算してみます。

65歳以上・夫婦無職世帯の家計収支

項目 月額
実収入(うち年金など社会保障給付 約22万5,000円) 約25万2,818円
消費支出(食費・住居費・光熱費・医療費など) 約25万6,521円
非消費支出(税金・社会保険料) 約3万356円
毎月の不足額 約3万4,058円

(出典: 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年」)

独身(単身)の場合はどうなる?

65歳以上の単身無職世帯の場合、平均消費支出は月約14万9,286円です(出典: 総務省統計局「家計調査報告 2024年」)。

国民年金のみの人は月約5.9万円しかもらえないので、月約9万円の不足。厚生年金の男性平均(約17万円)でも、税金・社会保険料を引くと余裕はほとんどありません。

世帯タイプ 毎月の不足額 30年間の累計不足額
夫婦無職世帯(65歳以上) 約3.4万円 約1,226万円
単身無職世帯(65歳以上) 約2.8万円 約1,008万円

「老後2,000万円問題」との関係

2019年に金融庁の金融審議会が「高齢社会における資産形成・管理」という報告書を公表しました。当時の試算では毎月約5万円の不足で、30年間で約1,300〜2,000万円が足りなくなるというものでした(出典: 金融審議会市場ワーキング・グループ報告書 2019年6月)。

2024年の最新データでは不足額が月3.4万円に縮小していますが、これはあくまで「平均」の話。旅行や趣味にお金を使いたい人、持ち家がなく家賃を払う人は、もっと多くの資金が必要です。

自分がこの不足額を初めて電卓で叩いたとき、「年金って、思ったより頼れないんだな」と焦りました。でもこの「焦り」が大事で、漠然とした不安のままにしておくよりも、数字で把握して対策を考えるほうが圧倒的に前に進めます。


マクロ経済スライドって何?年金が実質的に目減りする理由

「年金額は毎年上がってるんだから安心でしょ?」と思うかもしれません。でも実は、額面が増えても実質的な価値は下がっている可能性があります。その仕組みが「マクロ経済スライド」です。

賃金が上がっても、年金はそこまで上がらない

マクロ経済スライドとは、現役世代の人口減少や平均余命の延びに合わせて、年金額の伸びを抑える仕組みです(出典: 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」)。

ざっくり言うと、こんなイメージです。

賃金が2.1%上がったとしても、マクロ経済スライドで0.2%差し引かれて、年金の増額は1.9%にとどまる。物価がそれ以上に上がっていれば、年金の「買える量」は減っている計算になります。

2026年度の基礎年金は前年度から1.9%引き上げられましたが、本来の賃金変動率は2.1%でした(出典: 厚生労働省 令和8年度の年金額改定)。この差の0.2%がマクロ経済スライドによる調整分です。

FP2級の試験範囲でもマクロ経済スライドは頻出なんですけど、教科書で読んでいた頃は「ふーん」くらいの感覚でした。自分の年金に直接影響すると思うと、全然他人事じゃないですよね。

自分ら世代が受け取る頃には、さらに目減りしている可能性

マクロ経済スライドは、年金財政が安定するまで続く予定です。20〜30代の自分らが65歳になるのは2060年前後。そのときまでに年金の実質価値がどこまで下がるかは誰にもわかりません。

だからこそ「年金額がいくらか」を見るだけじゃなく、「その時点でいくらの価値があるか」まで考えておくのが大事です。年金に加えて、自分で資産を作っておく理由がここにあります。


繰り下げ受給で年金を増やす選択肢もある

年金受給額を増やす方法として、自分が注目しているのが「繰り下げ受給」です。65歳で受け取り始めるのを遅らせると、年金額が増える仕組みになっています。

繰り下げ1ヶ月ごとに0.7%増額、最大84%アップ

繰り下げ受給の増額率は、受給開始を1ヶ月遅らせるごとに0.7%です。2022年4月の制度改正で上限年齢が70歳から75歳に引き上げられました(出典: 日本年金機構「年金の繰下げ受給」)。

証券外務員の勉強をしていた頃、「複利と繰り下げは似た性質がある」と気づいたんですよね。時間を味方につけるほどリターンが大きくなる。年金も同じ構造です。

受給開始年齢 増額率 月額15万円の場合 損益分岐点
65歳(通常) 0% 15万0,000円
66歳 +8.4% 16万2,600円 77歳11ヶ月
68歳 +25.2% 18万7,800円 79歳11ヶ月
70歳 +42.0% 21万3,000円 81歳11ヶ月
75歳(最大) +84.0% 27万6,000円 86歳11ヶ月

(出典: 日本年金機構「年金の繰下げ受給」/ 増額率は 0.7% x 繰下げ月数で計算)

ただし、繰り下げは万能じゃない

繰り下げにはデメリットもあります。

受給開始を遅らせている間は年金がもらえないので、その間の生活費を自分で用意する必要があります。繰り下げた年金で「元を取る」には、受給開始からおよそ11年11ヶ月かかります。

平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳(出典: 厚生労働省「令和6年簡易生命表」)。女性は75歳繰り下げでも損益分岐点(86歳11ヶ月)を超えられる確率が高いですが、男性は微妙なライン。健康状態や家計の状況と相談して決めるべき選択肢です。

自分は友人と「繰り下げどうする?」という話をしたことがあるんですけど、結論は「そのときの貯蓄状況次第」でした。40年後の健康状態なんて予測できませんからね。「繰り下げすれば安心」ではなく、「繰り下げも選択肢の1つ」として考えておくくらいがちょうどいいと思います。


年金不足を補う3つの方法(NISA・iDeCo・投資)

年金が「土台」だとしたら、その上に自分で積み上げる仕組みが必要です。20〜30代が今から使える制度を3つ整理しました。

年金だけでは足りない → 不足額を自分で補う3つの方法
NISA
まずはここから
年間360万円まで非課税
いつでも引き出せる
最も始めやすい
iDeCo
節税効果が強い
掛金が全額所得控除
運用益も非課税
60歳まで引き出せない
投資(個別株・ETFなど)
慣れてきたら
高配当株で配当収入
ETFで分散投資
リスクも大きくなる
左から順に、リスクが低く始めやすいものから並べています。まずはNISAから。
図1: 年金不足を補う3つのステップ

NISA: 最初の一歩として最適

NISA(少額投資非課税制度。投資で得た利益に税金がかからなくなる国の制度)は、2024年から大幅に拡充されました。年間360万円(つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円)まで投資でき、生涯で1,800万円の非課税枠が使えます(出典: 金融庁「NISAを知る」)。

いつでも引き出せるのがNISAの強み。「老後資金のため」だけじゃなく、途中で使いたくなっても問題ありません。

自分が後輩に「NISA始めて3ヶ月で含み益10万超えました」と言われて口座を開設した話は前にも書きましたが、あの一歩がなければ今でも「知ってるけどやってない人」のままだったと思います。年金不足に備えるための第一歩として、NISAは最もハードルが低いです。

NISAの口座開設手順はこちらの記事でまとめています → 金融庁 NISAを知ろう

iDeCo: 節税しながら老後資金を作る

iDeCo(個人型確定拠出年金。自分で掛金を出して運用する年金制度)は、毎月の掛金が全額所得控除になります。運用益も非課税で、受け取り時にも税制優遇があります。

受け取りは原則60歳から75歳までの間に開始できます(出典: iDeCo公式サイト)。

ただし、60歳まで原則引き出せないのがNISAとの最大の違いです。流動性は低いけど、「老後資金として確実に貯める」と決めているなら、節税効果の分だけiDeCoのほうがおトクです。

比較項目 NISA iDeCo
税制メリット 運用益が非課税 掛金が全額所得控除+運用益非課税
引き出し いつでもOK 60歳まで原則不可
年間投資上限 360万円 14.4万〜81.6万円(職業による)
向いている人 柔軟に資産運用したい人 老後資金を確実に貯めたい人

確定拠出年金の全体像をもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください → 確定拠出年金とは?

投資にはリスクがある。そこは忘れないで

NISA・iDeCo・個別株のどれを選んでも、元本割れのリスクはあります。株価が下がれば投資したお金が減ることもある。これは避けられない事実です。

だからこそ「生活防衛資金(最低3〜6ヶ月分の生活費)」を確保してから投資に回すのが鉄則です。年金不足を補うために投資して、逆に生活が苦しくなったら本末転倒ですからね。

自分は未だに個別株がちょっと怖くて、インデックス投資(市場全体に分散して投資する方法)をメインにしています。FP持ちでもビビるものはビビるんですよね。だからこそ、リスクの説明は丁寧にしておきたいなと思います。


20〜30代が今すぐやるべき3つのアクション

「将来のことはわかったけど、結局何から手をつければいいの?」という声に応えて、今日からできることを3つにまとめました。

アクション1: ねんきんネットで自分の見込み額を確認する

まだ見たことがない人は今すぐ確認してください。ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)にマイナンバーカードでログインして「かんたん試算」をタップするだけ。所要時間は3分くらいです。

アクション2: NISAの証券口座を開設する

口座開設自体は無料で、スマホから10分くらいで申し込めます。「年金だけじゃ足りない」とわかっていても、行動しないと何も変わりません。自分がそうだったから、よくわかります。5年間知識だけ貯め込んで、1円も増えなかった。

アクション3: 毎月の積立額を決めて、自動化する

NISAやiDeCoは「毎月いくら積み立てるか」を最初に設定すれば、あとは自動で買い付けてくれます。月5,000円からでも、月1万円からでも構いません。大事なのは「始めること」と「続けること」です。

X Moneyを待つ間にやっておくべき投資についても、こちらの記事で整理しています → X Moneyを待つ間にやっておくべき投資3選

⭐ これだけは覚えてほしい3ポイント
  • 年金は「土台」であって「全額」ではない。厚生年金の平均でも月約15万円、夫婦世帯で毎月約3.4万円の不足が出る
  • マクロ経済スライドで年金の実質価値は目減りしていく。額面が増えても安心できない
  • NISA・iDeCoを使えば、税制優遇を受けながら自分で上乗せできる。まずはNISAから

まとめ: 年金は「土台」、その上に自分で積み上げよう

  • 厚生年金の平均受給額は月約15万円(令和6年度)。年金だけでは毎月約3.4万円の不足が出る(2024年 家計調査)
  • 繰り下げ受給で最大84%増額できるが、受給開始までの生活費と損益分岐点(75歳開始なら86歳11ヶ月)を考慮する
  • NISA・iDeCo・投資の3つを組み合わせて、足りない分を今から積み上げるのが現実的

年金制度がなくなることはまずありません。ただ、今の数字を見るかぎり、年金だけで余裕のある老後を過ごすのは難しい状況になっています。

まずは「ねんきんネット」で自分の見込み額を確認するところから始めてみてください。数字を知るだけで、次の行動が見えてきます。

NISAの口座開設がまだの方は、こちらに手順をまとめています → 金融庁 NISAを知ろう

自分も年金だけに頼らない仕組みづくりを勉強中です。一緒にやっていきましょう。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

年金いくらもらえるのスクリーンショット

出典: 日本年金機構 ねんきんネット

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。証券外務員一種 取得準備中。経済学部卒・27歳。新卒でファイナンス関連の業務に就き、お金の仕組みを実務で学びながら、並行してFP2級を取得。投資歴は2022年から4年。インデックスファンド・米国個別株・一部暗号資産を運用中。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠をフル活用している。

「投資って怖くない?」という疑問を出発点にした人間として、同じ気持ちを持つ人に向けて書いています。資格や実務で得た知識を「難しいまま伝えない」ことと、「リスクを正直に書く」ことが自分のスタンスです。

目次