マッチング拠出とは?会社が上乗せしてくれる仕組みと申し込み手順

マッチング拠出の仕組み アイキャッチ画像

マッチング拠出、名前は聞いたことあるけど何かよくわからない。そういう人、多いんですよね。

自分がFP2級の勉強をしていたとき、マッチング拠出の仕組みを見て「これ、会社がお金を出してくれるってことじゃん」と気づいてびっくりしました。使わないと本当にもったいない制度です。

この記事では、マッチング拠出の仕組みから節税効果の計算、申し込み手順まで整理します。

この記事でわかること

  • マッチング拠出の仕組みと会社が出してくれる金額の計算方法
  • 掛金を増やすと税金がどれだけ安くなるか
  • iDeCoとどっちを先に使うべきか
  • 申し込みに必要なものと手順
目次

マッチング拠出とは?会社がお金を出してくれる制度

マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している会社員が、会社の掛金に上乗せして自分でも掛金を追加できる制度です(出典: 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」)。

💡 ポイント

マッチング拠出は会社の追加掛金。自分の掛金と合わせて全額所得控除になるため、節税効果が2倍になります。

⚠️ 注意

マッチング拠出は会社の制度設計によって利用可否が異なります。まず人事部門に確認してください。

わかりやすく言うと、「会社が月1万円出してくれているなら、自分も最大1万円追加で入れられる」というイメージです。追加した掛金は全額所得控除になるため、税金が安くなります。

項目 内容
利用条件 会社がマッチング拠出を導入していること
拠出上限(2026年3月まで) 会社の掛金と同額まで(ただし合計で月5.5万円上限)
拠出上限(2026年4月以降) 会社掛金を超える拠出が可能に(4月)。合計上限は月6.2万円に引き上げ(12月施行予定)
税制メリット 掛金全額が所得控除(所得税+住民税が軽減)
運用方法 企業型DCの商品ラインナップから自分で選択

2026年4月の制度改正で、従来は「会社掛金と同額まで」という上限がありましたが、この制限が撤廃されます。会社が月1万円でも、従業員は月5万円以上を拠出できるようになる見込みです(出典: 厚生労働省「2026年確定拠出年金制度改正のポイント」)。

企業型DCの基本的な仕組みについては、こちらも参考にしてください。

マッチング拠出でいくら得するか計算してみた

「実際どれくらい得なの?」という話を具体的にします。FP2級の試験では「所得控除の効果計算」が頻出テーマなので、この計算は自分も何度も練習しました。

節税効果の計算(月2万円拠出の場合)

例として、年収500万円の会社員(所得税率20%、住民税率10%)がマッチング拠出で月2万円(年24万円)を追加した場合を試算します。

項目 金額
年間追加拠出額 24万円
所得税の軽減(24万円×20%) 約4.8万円
住民税の軽減(24万円×10%) 約2.4万円
合計節税額(年間) 約7.2万円
実質負担額(年間) 約16.8万円

月2万円を拠出しても、手取りの減少は実質的に月1.4万円程度。残りの0.6万円分は税金の節約で補われます(出典: ろうきん「マッチング拠出の節税効果シミュレーター」)。

さらに、積み立てたお金は確定拠出年金として運用されるため、複利効果も働きます。節税しながら老後資金を積み上げられるのが最大のメリットです。

年間7.2万円の節税 月2万円拠出・年収500万の場合(所得税20%+住民税10%想定)

運用益も非課税

通常の投資では、運用で得た利益に20.315%の税金がかかります。確定拠出年金の中では、運用益が全額非課税です(出典: 厚生労働省「確定拠出年金の税制上の取り扱い」)。節税しながら運用益も非課税というのは、かなりお得な条件です。

マッチング拠出 vs iDeCo、どっちを先にやるべき?

「マッチング拠出とiDeCo(個人型確定拠出年金)はどう違うの?どっちをやればいい?」という疑問はよく出てきます。自分もFP2級の勉強中にここで混乱しました。

比較項目 マッチング拠出 iDeCo
利用条件 会社が制度を導入している 国民年金加入者なら基本的に誰でも
拠出上限 会社掛金と合計で月5.5万円(2026年12月以降6.2万円) 会社員は月2万円(企業型DCなしの場合)
運用商品 会社が設定したラインナップ 金融機関によっては選択肢が豊富
手数料 会社が負担するケースが多い 自分が負担(月171〜数百円程度)
並行利用 原則iDeCoと同時加入は不可(制度改正で条件変更あり) マッチング拠出と同時は原則不可

会社がマッチング拠出を導入しているなら、まずマッチング拠出を上限まで使うのが先です。手数料を会社が持つケースが多く、使えるなら使わない理由がない制度です。

マッチング拠出の上限を使い切った上でさらに積み立てたい場合や、会社がマッチング拠出を導入していない場合にiDeCoを検討します。FP2級の試験でも「企業型DCとiDeCoの併用ルール」は出てきますが、2022年の制度改正で条件が緩和されており、現在は企業型DC加入者でもiDeCoを使えるケースが増えています。

優先順位の整理①マッチング拠出(会社が導入しているなら最優先)→ ②iDeCo(マッチング拠出を使い切ったら)→ ③NISA(税制優遇の使い残しを埋める)

申し込みに必要なものと手順

マッチング拠出の申し込みは、会社の担当部署(総務・人事)を経由するのが基本です。証券会社に自分で申し込むiDeCoとは手続きの流れが違います。

申し込み手順(4ステップ)

Step 1: 制度の有無を確認する
まず自分の会社がマッチング拠出を導入しているか確認します。企業型DCの加入案内資料を見るか、総務・人事担当に聞くのが確実です。導入していない会社も一定数あります。

Step 2: 申込書類を受け取る
会社から「マッチング拠出申込書」「掛金変更届」などの書類を受け取ります。会社によっては、運営管理機関(レコードキーパー)のポータルサイトからオンラインで手続きできる場合もあります。

Step 3: 掛金額を決めて申請する
毎月いくら追加するかを決めて申請します。上限は「会社掛金と同額まで」(2026年4月以降は上限撤廃)です。掛金は1,000円単位で設定できる会社が多いです。

Step 4: 翌月給与から反映される
申請が受理されると、翌月の給与から指定額が天引きされ、確定拠出年金の口座に入金されます。年末調整で「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除が自動的に処理されます。

注意掛金の変更は年に1〜2回しかできない会社が多いです。申し込むタイミングと変更できる回数は会社によって異なるため、事前に確認してください。

よくある疑問:転職したらどうなる?上限は?

Q. 転職したらマッチング拠出はどうなる?

退職と同時にマッチング拠出の資格を喪失します。積み立てた資産(会社分も自分分も)は、転職先の企業型DCかiDeCoに移換するか、一時金として受け取るかを選択することになります。転職先の会社がマッチング拠出を導入していれば、そちらで同様の手続きができます。

転職時の手続きについてはこちらで詳しく解説しています。

Q. 拠出した掛金はいつから引き出せる?

確定拠出年金は原則60歳まで引き出せません。これはマッチング拠出分も同様です。老後資金として積み立てるものなので、生活費に充てる短期の貯蓄とは分けて考えてください。FP2級でも確定拠出年金の「中途引き出しの制限」はよく出てくるポイントです。

Q. 会社が導入していない場合は?

マッチング拠出は会社が制度として導入していないと使えません。会社がマッチング拠出を導入していない場合、iDeCoを使うことで同様の所得控除を受けながら老後資金を積み立てることができます。

iDeCo口座を開設するなら

確定拠出年金の運用を見直すなら、iDeCoの併用も検討してみてください。SBI証券のiDeCoは運営管理手数料が無料で、低コストのインデックスファンドが揃っています。楽天証券のiDeCoも同様に手数料無料で、楽天ポイントユーザーには使いやすい設計です。

まずは公式サイトで資料請求から始めてみてください。申し込み自体は10分程度で完了します。

まとめ:申し込まない理由がない。今週中に確認しよう

  • マッチング拠出は会社の掛金に上乗せできる制度で、追加分は全額所得控除
  • 月2万円の追加拠出で年7万円以上の節税効果がある(年収・税率による)
  • 会社がマッチング拠出を導入しているなら、まずこれを上限まで使い切るのが優先
  • 申し込みは総務・人事経由。手続き自体は難しくない

2026年4月の制度改正で上限も拡大します。まず今日、自分の会社でマッチング拠出が使えるかを確認してみてください。

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【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。税効果の数値はあくまで試算です。実際の税金については税理士や会社の担当部署にご確認ください。

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この記事を書いた人

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。証券外務員一種 取得準備中。経済学部卒・27歳。新卒でファイナンス関連の業務に就き、お金の仕組みを実務で学びながら、並行してFP2級を取得。投資歴は2022年から4年。インデックスファンド・米国個別株・一部暗号資産を運用中。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠をフル活用している。

「投資って怖くない?」という疑問を出発点にした人間として、同じ気持ちを持つ人に向けて書いています。資格や実務で得た知識を「難しいまま伝えない」ことと、「リスクを正直に書く」ことが自分のスタンスです。

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