投資信託の分配金とは?受け取りと再投資、どっちが得かFPが計算した

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「分配金って毎月もらえるお金のこと?」「再投資と受け取り、どっちにすればいい?」

投資信託を始めると、こういう疑問にぶつかりますよね。自分も最初に証券口座を開いたとき、分配金の設定画面で「なにこれ」ってなりました。

FP2級の試験勉強で分配金の仕組みはひととおり学んだんですが、試験用の知識と「実際どっちを選ぶべきか」は別の話で、改めて計算し直して比較してみました。

この記事では、分配金の仕組み・受取型と再投資型の違い・毎月分配型のリスク・NISAでの扱いを整理します。ざっくり言うと、長期投資なら再投資型が有利なことが多いです。

この記事でわかること
  • 投資信託の分配金とは何か(普通分配金と特別分配金の違い)
  • 受取型と再投資型の仕組みの違い
  • 再投資型の複利効果を20年間で計算した結果
  • 毎月分配型が初心者に向かない理由
  • NISA口座で分配金を非課税にする方法

投資信託の選び方の基本はこちらでも解説しています → NISAで使える投資信託の選び方


目次

分配金って何?

投資信託から投資家に支払われるお金

投資信託の分配金とは、ファンドが運用で得た収益の一部を投資家に定期的に払い出すお金のことです。

株式投資の「配当金」に近いイメージです。ただし投資信託の場合、分配金を出すかどうか・金額はどのくらいかは、ファンドごとに異なります。

普通分配金と特別分配金の違い

分配金には2種類あって、ここが初心者がつまずくポイントです。

種類 内容 税金
普通分配金 運用益から支払われる分配金 課税(約20.315%)
特別分配金(元本払戻金) 元本を取り崩して支払う分配金 非課税(自分のお金が戻るだけ)

特別分配金は「元本を削って現金を渡している」だけなので、厳密には「もうけ」ではありません。特別分配金が出ているときは、投資信託の基準価額が下がっていることが多い点に注意です。

FP2級の試験でも「特別分配金は非課税だが元本払戻金である」という点が頻出でした。「非課税=お得」とは限らないわけです(出典: 投資信託協会「投資信託の分配金」)。


受取型 vs 再投資型の違い

受取型:分配金をその都度現金で受け取る

受取型を選ぶと、分配金が出るたびに証券口座に現金として振り込まれます。

「定期的に現金収入がある」という感覚がわかりやすいので、人気があります。ただし、受け取った分だけ運用資産が減ります。複利で考えると、受け取ったお金がそこで成長を止めてしまいます。

再投資型:分配金を自動でそのまま投資に回す

再投資型を選ぶと、分配金が出た際に自動でそのファンドを追加購入します。

「分配金→再び運用→また分配金が発生する」という複利のループが起きます。同じ期間・同じ年利であれば、再投資型の方が長期では資産が大きくなるというのが一般的な評価です。


再投資の複利効果を20年で計算

計算条件

  • 初期投資額:100万円
  • 毎月の積立:1万円
  • 分配金:年4%(分配利回り)
  • 運用期間:20年

この条件で「受取型(分配金を受け取って使う)」と「再投資型(分配金を全額再投資)」を比べます。

20年後の比較(年率4%の場合)

タイプ 20年後の資産額(概算)
受取型(分配金を生活費に使う) 約440万円(元本合計340万円+運用益)
再投資型(分配金を全額再投資) 約590万円(元本合計340万円+複利効果)

差額は約150万円です。元本の内訳は初期投資100万円+月1万円×20年=340万円。同じ金額を投じても、再投資型の方が長期では資産が大きくなる傾向があります(出典: 上記条件による試算。実際の分配金は変動する場合あり)。

20年間の推移

経過年数 受取型 再投資型
5年 約170万円 約185万円
10年 約295万円 約340万円
15年 約360万円 約440万円
20年 約440万円 約590万円

最初の5年はさほど差がありませんが、10年を超えると差が開いてきます。20年後には約150万円の差がつく計算です。

自分が証券口座の設定を確認したとき、再投資型になっているかどうかを意識的に確認しました。デフォルトが受取型になっているケースもあるので、設定を確認してみてください。


「毎月分配型」が初心者に向かない理由

毎月分配型とは

「毎月分配型」は、毎月分配金が支払われる投資信託のことです。

高齢者向けに「毎月現金収入が欲しい」という需要から普及しましたが、現役世代・長期投資目的の人には向かない面が多いです。

理由① 複利の力を削いでしまう

毎月分配金が出るということは、毎月運用資産が削られます。受取型と同じ問題で、「増えながら分配する」のではなく、「分配しながら運用するので増えにくい」という構造です。

長期積立を目的にしている場合は、分配金が出ないか・再投資型の投資信託を選んだ方が複利効果を最大化できます。

理由② 特別分配金(元本払戻)が混ざることがある

毎月分配を維持するために、運用益が少ない月でも特別分配金(元本を取り崩して支払う)を出すファンドがあります。

「毎月1万円もらってる」と思っていたら、実は自分の元本が削られていた、ということが起こりえます。

理由③ 税金効率が悪い

普通分配金が出るたびに20.315%の税金がかかります。再投資型だと分配金が出ないため、課税タイミングが売却時まで先送りできます。

長期投資では「税金を払う回数を減らす=課税を先延ばしする」ことが、複利効果を守るうえで重要です。(出典: 投資信託協会「長期・積立・分散投資の考え方」)


NISAで分配金を非課税にする方法

NISA口座なら分配金も非課税

NISA口座で持っている投資信託から出た分配金(普通分配金)は、全額非課税です。

通常は約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら0%。分配金が出るファンドを持っている場合も、NISA口座に移すことで税負担がゼロになります。

NISA口座での再投資設定

NISA口座で再投資型を選ぶと、分配金が非課税のまま再投資されます。「非課税+複利」の組み合わせが実現するので、長期積立との相性が抜群です。

NISA口座内での再投資は非課税枠を使わないケースが多いですが、証券会社によって扱いが異なる場合があります。設定前に証券会社の説明を確認してみてください。

NISAで使うなら「分配金なし or 再投資型」が基本

つみたて投資枠の対象ファンドは、金融庁が「長期積立・分散投資に適した商品」として認定したものです。その多くは「分配金なし」か「再投資型」に設計されています。

長期積立でNISAを使う場合、「毎月分配型」を選ぶ必要は基本的にないと思います(出典: 金融庁「つみたてNISA対象商品の選定基準」)。

投資信託の具体的な選び方はこちら → NISAで使うインデックスファンドの選び方


証券口座の開設がまだの方へ

投資を始めるには証券口座が必要です。SBI証券・楽天証券ともに口座開設は無料で、NISA口座も同時に申し込めます。どちらも主要なインデックスファンドを取り扱っており、初心者でも始めやすい環境が整っています。

Point: 分配金を「受け取り型」にすると複利効果が途切れます。長期投資なら「再投資型」を選ぶのが基本です。

数字で確認: 100万円を年利5%で20年運用した場合、再投資なら約265万円、分配金受取(年5%取り崩し)なら100万円のまま。差額は165万円。

関連記事

まずは公式サイトで必要書類を確認してみてください。

まとめ

投資信託の分配金について、まとめるとこうなります。

  • 分配金は「普通分配金(運用益から)」と「特別分配金(元本から)」の2種類がある
  • 長期投資目的なら再投資型が有利。20年では受取型より150万円前後多くなる計算
  • 毎月分配型は複利を削ぎ・税効率も悪く、長期積立には不向き
  • NISA口座なら普通分配金も非課税。「再投資型×NISA」が長期投資の鉄板構成

「分配金が出ている=いいファンド」とは限りません。自分も最初はそう思ってたんですが、特別分配金の仕組みを知ってから見方が変わりました。

まず証券口座の設定を確認して、「再投資型」になっているかチェックしてみてください。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。シミュレーション結果は将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

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この記事を書いた人

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。証券外務員一種 取得準備中。経済学部卒・27歳。新卒でファイナンス関連の業務に就き、お金の仕組みを実務で学びながら、並行してFP2級を取得。投資歴は2022年から4年。インデックスファンド・米国個別株・一部暗号資産を運用中。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠をフル活用している。

「投資って怖くない?」という疑問を出発点にした人間として、同じ気持ちを持つ人に向けて書いています。資格や実務で得た知識を「難しいまま伝えない」ことと、「リスクを正直に書く」ことが自分のスタンスです。

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