株主優待と配当金に税金はかかる?確定申告が必要なケースを整理した

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株主優待をもらったら嬉しい。配当金が振り込まれたらもっと嬉しい。でも「これって税金かかるの?確定申告しないといけない?」と不安になる人、多いと思います。

自分もFP2級の勉強を始める前は、配当金にかかる税金の仕組みがまったくわかっていませんでした。テキストで「20.315%」という数字を見たとき、「2割も取られるの」と驚いたのを覚えています。

でも、仕組みを知れば対策できます。この記事では、株主優待と配当金にかかる税金の基本と、確定申告が必要なケース・不要なケース、そして税負担を減らす方法を整理しました。

✅ この記事でわかること

  • 株主優待の税務上の扱い(雑所得)と確定申告が不要になる条件
  • 配当金の税率20.315%の内訳と手取り額の計算方法
  • 「特定口座(源泉徴収あり)」で確定申告が不要になる仕組み
  • NISA口座で配当金を非課税にするための設定条件
  • 損益通算・繰越控除・配当控除で税負担を減らす具体的な方法
目次

株主優待に税金はかかるの?

株主優待には税金がかかります。税法上、株主優待は「雑所得」として扱われます(出典:国税庁「株式・配当・利子と税」)。

ただし、会社員(給与所得者)の場合は年間の雑所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要というルールがあります(出典:所得税法第121条)。普通に株主優待を楽しんでいる範囲なら、ほとんどの人はこの20万円に収まるはずです。

💡 ポイント

株主優待の金額は「市場価値」で評価します。QUOカード3,000円分なら3,000円、自社製品セットなら同等品の市販価格が目安です。5社から年4回ずつ優待を受けても、1回あたり1,000円程度なら年間20,000円。20万円にはまず届きません。

⚠️ 注意

所得税の「20万円以下なら確定申告不要」ルールは住民税には適用されません。住民税は金額にかかわらず申告義務があります。お住まいの市区町村に住民税の申告が必要か確認してください。ただし、確定申告をしている場合は住民税の別途申告は不要です(出典:各市区町村の住民税ガイド)。

配当金の税率は20.315%。内訳を知っておこう

🏛️ 公式制度データ

国税庁 — 配当所得の課税方法

配当所得は①申告分離課税(20.315%)②総合課税(配当控除あり)③申告不要(源泉徴収のみ)から選択。国民健康保険料に影響するため、高所得者は②が逆効果になる場合がある。

出典:国税庁 nta.go.jp(配当所得の課税方法)

配当金にかかる税金は20.315%です。内訳はこうなっています(出典:国税庁「配当所得」)。

税目 税率
所得税15%
復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)
住民税5%
合計20.315%

📊 配当金10万円を受け取った場合の手取り

手取り 79,685円

税金20,315円が天引き。配当利回り4%の株でも、手取り利回りは3.19%に下がります

自分がこの税率を知ったとき、「配当利回り4%の株を持っていても、手取りは3.19%くらいか」と計算してちょっとがっかりしました。でも、この税金をゼロにする方法があるんです。

復興特別所得税は2037年12月31日までの時限措置です(出典:国税庁「復興特別所得税の概要」)。2038年以降は配当金の税率が20%に下がる予定ですが、制度変更の可能性もあるため最新情報をチェックしてください。

確定申告が必要かどうかの判断フロー

「自分は確定申告が必要なの?」という疑問に、パターン別で回答します。

パターン 確定申告 理由
特定口座(源泉徴収あり)のみ不要証券会社が自動で税金を天引き
NISA口座のみ不要そもそも非課税
複数の証券会社で損益通算したい必要口座間の通算は自動でされない
損失の繰越控除を使いたい必要3年間繰り越すには申告が必要
配当控除を受けたい必要総合課税を選択して申告
一般口座で取引必要自分で損益計算して申告

💡 ポイント

投資初心者が迷ったら「特定口座(源泉徴収あり)+NISA口座」の組み合わせにしておけば、基本的に確定申告は不要です。口座開設時にチェックを入れるだけなので、最初に設定しておきましょう。

特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は不要

証券口座には3つの種類があります。

口座の種類 確定申告 特徴
特定口座(源泉徴収あり)不要証券会社が税金を自動計算・天引き
特定口座(源泉徴収なし)必要年間取引報告書は証券会社が作成。自分で申告
一般口座必要自分で損益計算・申告。手間が大きい

「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、配当金にかかる税金は証券会社が自動で処理してくれます。確定申告は不要です。

口座開設時に「特定口座・源泉徴収あり」にチェックを入れるだけ。自分らがやることは何もありません。

NISAで持てば配当金も非課税になる

NISA口座で保有している株の配当金は非課税です。20.315%の税金がまるごとゼロになります(出典:金融庁「NISAの概要」)。

ただし、配当金を非課税にするには配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります(出典:日本証券業協会「NISA口座における配当金等受取方式」)。

これ、見落としやすいポイントです。「登録配当金受領口座方式」(銀行口座で受け取る方式)のままだと、NISA口座で持っていても配当金に課税されてしまいます。

⚠️ 注意

「株式数比例配分方式」に変更しないと、NISA口座の配当金が課税されます。証券口座の設定画面で今すぐ確認してください。変更は一度だけ。全銘柄に自動適用されます。

自分も最初は設定を見落としていて、FP2級の勉強中に知って慌てて変更しました。

NISAの注意点:損益通算ができない

NISA口座の大きな注意点として、NISA口座で発生した損失は、他の口座との損益通算ができません(出典:金融庁「NISAの概要」)。

たとえばNISA口座で10万円の損失が出ても、特定口座の利益と相殺することはできないんです。NISA口座の損失は税法上「なかったもの」として扱われます。

📊 NISAの損益通算の落とし穴

NISA口座の損失 = 税法上ゼロ

特定口座で50万円の利益、NISA口座で30万円の損失 → 課税対象は50万円のまま(通算できない)

これはFP2級の試験でも頻出の論点で、自分も最初は「え、非課税なのに損したら不利になるの?」と混乱しました。

損益通算でトータルの税負担を下げる方法

特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合、同じ口座内の利益と損失は自動で損益通算されます。

でも、複数の証券会社で口座を持っている場合は、口座間の損益通算には確定申告が必要です。

たとえば、SBI証券で30万円の利益、楽天証券で10万円の損失が出たケース。自動では通算されないので、確定申告をすれば20万円の利益に対してのみ課税されます。税額にすると約4,063円の還付を受けられる計算です(10万円 × 20.315%)。

💡 ポイント

損失は3年間繰り越せます(出典:国税庁「上場株式等の譲渡損失の繰越控除」)。今年損失が出たら「損した年にも確定申告しておく」のが鉄則です。翌年以降の利益と相殺できるので、損失が出た年こそ申告する価値があります。繰越控除には毎年連続で確定申告する必要がある点に注意してください。

配当控除で税金を取り戻せるケースもある

配当金の課税方法には「申告分離課税(20.315%)」と「総合課税」の2種類を選べます。

課税所得が330万円以下(年収目安で約695万円以下)の場合、総合課税を選んで「配当控除」を受けたほうが税負担が軽くなるケースがあります(出典:国税庁「配当控除」)。

課税所得 所得税率 配当控除後の実効税率 申告分離との比較
195万円以下5%約7.2%総合課税が有利
195万〜330万円10%約7.2%総合課税が有利
330万〜695万円20%約17.4%総合課税が有利
695万〜900万円23%約20.5%ほぼ同等
900万円超33%〜約30%〜申告分離が有利

⚠️ 注意

総合課税を選ぶと合計所得金額が上がるため、国民健康保険料や児童手当の所得制限に影響する場合があります。配当控除で数千円得しても、保険料が数万円上がったら逆効果です。個別の判断は税理士や税務署に相談してください。


📝 自分が実際に思うこと

税金のことを考えすぎて投資を始められない人が周りに何人かいます。でも、自分が言いたいのは「特定口座(源泉徴収あり)で始めれば、税金のことは証券会社が全部やってくれる」ということ。確定申告は最初は必要ありません。配当控除や損益通算は「投資に慣れてきてから考える上級テクニック」なので、初年度は忘れていい。まずは口座を開いて1銘柄買うこと。税金の最適化はその先の話です。自分自身、最初の1年は特定口座に入れっぱなしで確定申告なんてしませんでした。それでも全然問題なかったです。

⚠️ 投資に関する免責事項

この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの加入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもと、最新の公式情報をご確認のうえ行ってください。

まとめ:NISAで高配当株を持つのが最もシンプルな節税

📌 この記事のポイント

  • 株主優待は雑所得。年間20万円以下なら所得税の確定申告不要(会社員の場合。住民税申告は別途必要)
  • 配当金は20.315%課税。特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は不要
  • NISA口座で持てば配当金も非課税。ただし「株式数比例配分方式」の設定が必須
  • NISA口座の損失は損益通算・繰越控除の対象外。長期保有前提の銘柄を入れる
  • 課税所得695万円以下なら、配当控除(総合課税)も検討する価値あり(保険料への影響に注意)

税金のことが面倒だと感じる人は、まず「特定口座・源泉徴収あり」で始めれば何もしなくて大丈夫です。NISAを活用すれば配当金にかかる税金もゼロにできます。

株主優待の基本から知りたい人は株主優待の全体像を、投資全般の税金を整理したい人は投資の税金まとめもどうぞ。

NISA口座をまだ開設していない人は、配当金の税金がゼロになるだけで年間数万円の差が出ます。証券口座の開設ガイドを参考に、まず口座開設から始めてみてください。


※この記事の情報は2026年3月時点のものです。税制は変更される場合があります。個別の税務判断については税理士や税務署にご相談ください。投資にはリスクがあり、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。NISA制度の詳細は金融庁の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。証券外務員一種 取得準備中。経済学部卒・27歳。新卒でファイナンス関連の業務に就き、お金の仕組みを実務で学びながら、並行してFP2級を取得。投資歴は2022年から4年。インデックスファンド・米国個別株・一部暗号資産を運用中。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠をフル活用している。

「投資って怖くない?」という疑問を出発点にした人間として、同じ気持ちを持つ人に向けて書いています。資格や実務で得た知識を「難しいまま伝えない」ことと、「リスクを正直に書く」ことが自分のスタンスです。

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