確定拠出年金の運用商品、何を選べばいい?会社員がインデックス一択にした理由

企業型DC商品の選び方 アイキャッチ画像

確定拠出年金(DC)に加入してから、一度も運用商品を変えていない。そういう人、かなり多いんですよね。

自分も最初は「よくわからないし、元本確保型にしとけばいいか」と思っていました。FP2級の勉強を始めて、「これ、ものすごく損してる可能性があるな」と気づいてぞっとしたと感じています。

この記事では、確定拠出年金の運用商品選びについて、インデックスファンドを選んだ理由と、具体的な変更手順まで整理します。

この記事でわかること

  • 元本確保型のまま放置するとどれだけ機会損失になるか
  • インデックスファンドを選ぶべき3つの理由
  • 信託報酬0.2%以下の商品の選び方
  • スイッチング(運用商品の変更)の具体的な手順
目次

運用商品を選んだまま放置していませんか?

企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入したとき、たいていは「どれを選ぶか」の説明が会社からあります。でも、資料を渡されても「よくわからない」という理由で、デフォルトの元本確保型(定期預金・保険)のまま放置している人が多いのが現実です。

💡 ポイント

確定拠出年金は「運用商品を何も選ばない」こと自体がひとつの選択。放置=元本確保型のまま、という状態が続いてしまいます。

⚠️ 注意

スイッチングは売却→購入の順で処理されます。売却日の基準価額が適用されるため、相場急落時は一時的に含み損が出る可能性があります。

📊 数字で確認

元本確保型(年0.1%)とインデックス(年6%)で35年運用した場合、差額は約2,000万円。月2万円の積立でこれだけ変わります。

確定拠出年金の最大の特徴は「自分で運用商品を選べること」。裏を返せば、選び方次第で老後の資産に大きな差が出るということでもあります。

金融庁の「資産運用立国に関するレポート」(2023年)によれば、企業型DCの加入者のうち、一定割合が元本確保型のみで運用しており、長期的に見た場合の資産形成機会を逃している実態が指摘されています(出典: 金融庁「資産運用立国実現プラン」2023年)。

自分がFP2級の勉強をしていたとき、確定拠出年金の章で「元本確保型と元本変動型の長期運用シミュレーション」が出てきて、数字を計算してみて初めて「あ、これは行動しないと本当にまずい」と思いました。次のセクションで、その数字を見てください。

ポイント確定拠出年金は「運用商品を何も選ばない」こと自体が、ひとつの選択です。放置 = 元本確保型のまま、という状態が続いてしまいます。

企業型DCの詳しい仕組みについては、こちらの記事も参考にしてください。

元本確保型を選び続けるとどれだけ損するか

元本確保型の定期預金、現在の金利はざっくり年0.01〜0.3%程度です(2025年時点の主要銀行の確定拠出年金向け定期預金金利、各金融機関公表資料より)。一方、全世界株式インデックスファンドの過去20〜30年の年平均リターンは、7〜8%程度とされています(出典: MSCI「MSCI ACWIパフォーマンスデータ」)。

30歳から65歳まで、毎月2万円を積み立てた場合のシミュレーションを比較してみます。

運用方法 年率リターン 35年後の資産額(概算)
元本確保型(定期預金) 年0.1% 約849万円
インデックスファンド(低め想定) 年4% 約1,708万円
インデックスファンド(中程度想定) 年6% 約2,856万円

元本総額は約840万円(2万円×12ヶ月×35年)。元本確保型だとほぼ元本と同額にしかなりませんが、年率6%の運用ができた場合は約2,856万円。差額は約2,000万円になります。

「老後2,000万円問題」と言われますが、確定拠出年金の運用商品選び1つで、その差が生まれる可能性があります。

FP2級の試験でも「複利の効果」は頻出テーマです。証券外務員の試験でも、長期投資のリターン試算は基本中の基本として出てきます。数字で見ると、「元本確保型で安全に」という選択がいかに機会損失かがよくわかります。

注意投資信託の過去リターンは将来を保証するものではありません。元本割れのリスクがある商品です。長期・分散を前提に考えてください。

複利シミュレーションについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

インデックスファンドを選ぶべき3つの理由

確定拠出年金の運用商品は大きく2種類、元本確保型(定期預金・保険)と元本変動型(株式・債券の投資信託)に分かれます。そのなかでもインデックスファンドが特に向いている理由を整理します。

コストが圧倒的に低い

インデックスファンドは、日経225やS&P500などの指数に連動することを目指す商品です。プロのファンドマネージャーが銘柄を選ぶ手間がないため、信託報酬(年間の管理費用)が年0.05〜0.2%程度と非常に低いのが特徴です(出典: 各運用会社公表の目論見書データ)。

一方、アクティブファンド(運用担当者が銘柄を選ぶタイプ)は信託報酬が年1〜1.5%程度かかることが多い。35年の長期投資では、この差が最終的な資産額に大きく響いてきます。

市場全体に分散できる

全世界株式インデックスや先進国株式インデックスに連動する商品を選べば、数千社の株式に自動的に分散投資できます。証券外務員の試験でも習いましたが、分散投資は個別銘柄リスク(非システマティックリスク)を大幅に下げる効果があります。

長期では市場平均を上回ることが難しい

「プロが運用するアクティブファンドのほうが成績がいいのでは?」と思いますよね。自分も最初はそう思っていました。でも実際のデータを見ると、長期(10〜15年以上)では大多数のアクティブファンドがインデックスファンドに負けています。米国の調査機関S&Pが公表する「SPIVAレポート」(2024年版)では、15年間で日本の株式アクティブファンドの約70%以上が指数に負けていたというデータもあります(出典: S&P Dow Jones Indices「SPIVA Japan Scorecard 2024」)。

慶喜メモFP2級の勉強中に「パッシブ運用 vs アクティブ運用」を学んで、「じゃあインデックスでいいじゃん」となりました。試験に出るし、実際の投資でも役立つ知識ですよね。

具体的な商品の選び方(信託報酬0.2%以下が目安)

確定拠出年金で選べる商品は、加入している会社(運営管理機関)によって異なります。ただ、どこの会社でも共通で使える選び方の基準があります。

選び方の3つの基準

①信託報酬が年0.2%以下の商品を選ぶ。これは証券外務員試験でも強調されるコスト管理の基本です。「eMAXIS Slim」シリーズや「SBI・V・シリーズ」などが代表例で、年率0.05〜0.15%程度のものが多くあります。

②連動する指数が「世界全体」か「先進国」のものを選ぶ。日本株だけに集中するより、全世界や先進国株式に連動する商品のほうが地理的な分散が効きます。

③純資産総額が100億円以上のもの。小さすぎるファンドは繰上償還(途中で運用終了)のリスクがあります。FP2級で習った内容ですが、規模の大きいファンドほど安定して運用が続く可能性が高いです。

確定拠出年金専用商品の特徴

確定拠出年金向けの投資信託は、一般のNISA向けのものより名前が違ったりしますが、運用の中身はほぼ同じです。商品説明資料(目論見書)の「信託報酬」の欄を必ず確認してください。

商品タイプ 信託報酬の目安 向いている人
全世界株式インデックス 年0.05〜0.15% 30代・分散重視
先進国株式インデックス 年0.08〜0.20% 米国・欧州中心に分散
国内株式インデックス(日経225等) 年0.10〜0.20% 国内重視・組み合わせ用
バランス型(株式+債券) 年0.15〜0.30% 50代以上・リスクを抑えたい

20〜40代の会社員であれば、全世界株式インデックスか先進国株式インデックスを中心に、信託報酬0.2%以下を基準に選ぶのがシンプルです。

運用商品の変更手順(スイッチングのやり方)

今元本確保型になっている人も、インデックスファンドに変更できます。この手続きを「スイッチング」と言います。FP2級でも確定拠出年金の手続き用語として出てくる言葉です。

スイッチングとは?

スイッチングは、現在持っている運用商品を売却して、別の商品に乗り換える手続きです。既存の積立残高の振り替えと、今後の積立配分の変更(配分変更)をセットで行うのが一般的です。

手順の流れ

Step 1: 運営管理機関(レコードキーパー)のサイトにログイン
会社から案内されたウェブサイト(NTTデータビジネスブレインズ、日本インシュアランスサービス、日本レコードキーピングネットワークなど)にログインします。

Step 2: 現在の運用状況を確認
どの商品に何%配分されているかを確認します。「元本確保型100%」になっていたら変更対象です。

Step 3: スイッチングの手続きを実行
「スイッチング」または「資産移換」のメニューから、売却する商品と購入する商品を選択します。割合(%)で指定することが多いです。

Step 4: 今後の配分変更も合わせて設定
残高の移換だけでなく、毎月の掛金配分も変更しないと、新しい掛金が引き続き元本確保型に入ります。「配分変更」の手続きも忘れずに。

注意スイッチングは売却 → 購入の順で処理されます。売却日の基準価額が適用されるため、相場が大きく下落したタイミングでも、長期投資目線ならあまり気にしすぎない方がいいです。

手続き画面の具体的な見た目は運営管理機関によって異なりますが、基本的な流れはどこも同じです。わからなければ、会社の総務部や運営管理機関のコールセンターに聞けば教えてもらえます。証券外務員の知識として言えば、確定拠出年金のスイッチングには手数料がかかる場合と無料の場合があります。事前に確認しておくといいですよ。

iDeCo口座を開設するなら

確定拠出年金の運用を見直すなら、iDeCoの併用も検討してみてください。SBI証券のiDeCoは運営管理手数料が無料で、低コストのインデックスファンドが揃っています。楽天証券のiDeCoも同様に手数料無料で、楽天ポイントユーザーには使いやすい設計です。

まずは公式サイトで資料請求から始めてみてください。申し込み自体は10分程度で完了します。

まとめ:放置が一番のリスク。今日変更しよう

確定拠出年金の運用商品選びをまとめます。

  • 元本確保型のまま放置すると、35年で最大2,000万円以上の差が生まれる可能性がある
  • インデックスファンドは低コスト・分散・長期で優れており、信託報酬0.2%以下を目安に選ぶ
  • スイッチング(商品変更)と配分変更をセットで手続きすれば、今日からでも変えられる

自分がFP2級で学んで一番「やばい」と思ったのは、確定拠出年金の放置でした。知識があれば動けます。まず会社の年金ポータルにログインして、自分の配分を確認するところから始めてみてください。

転職時の確定拠出年金の手続きについては別記事で解説しています。

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【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行い、不明点は金融機関や専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。証券外務員一種 取得準備中。経済学部卒・27歳。新卒でファイナンス関連の業務に就き、お金の仕組みを実務で学びながら、並行してFP2級を取得。投資歴は2022年から4年。インデックスファンド・米国個別株・一部暗号資産を運用中。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠をフル活用している。

「投資って怖くない?」という疑問を出発点にした人間として、同じ気持ちを持つ人に向けて書いています。資格や実務で得た知識を「難しいまま伝えない」ことと、「リスクを正直に書く」ことが自分のスタンスです。

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